ペットロスケア🐾セラピスト橘りんかの豆知識【3】
- りんか 橘
- 2020年5月18日
- 読了時間: 3分
うさぎの歯は生え変わらずに伸び続ける!?
うさぎの歯は「常生歯」といい、生涯歯を形成し伸び続けるそうです。
切歯(門歯)は1年で10~12cm、1週間に約2mm程度伸びていくとか。 うさぎの歯のもうひとつの特徴は、上顎切歯の裏に小さな小切歯があることで、その特徴から「重歯亜目」と呼ばれていましたが、現在ではウサギ目に分類されています。
食事をするときに人間ではとても噛み切れないような繊維分の多い草などを食べるため、歯がすり減ってしまわないように伸び続けているということです。
ここで一つ、注意していただきたいことがあります。
野生のうさぎは生きていくために、木の皮やワラ・野草を食べ続けなくてはなりせん。
そのため、歯をよく使い、歯の伸びる速度と削れる速度がうまく合っているのです。
ところが、ペットとして飼われているうさぎは、栄養のバランスが整った加工されたペレットや柔らかい野菜や果物が主食となってしまうことが多くあるため、歯の削れる割合が少なくなり、伸びすぎてしまいます。
この伸びすぎた歯のことを「過長歯」といいます。
過長歯は前歯でも奥歯でもおこります。
前歯なら唇を持ち上げて覗けば分かりますが、奥歯の過長歯は外からは見えないため、うさぎが食事を取れなくなるぐらい悪化して、動物病院で検査をしてはじめて見つかる場合が良くあるそうです。
過長歯は、単に歯が伸びすぎるだけでなく、悪化すると口の中や歯自身や顔に直しようのない障害を引き起こすこともあるので、飼い主さんは注意が必要です。

過長歯の問題
ウサギの歯が摩耗せず、伸びすぎてしまっても、歯は成長し続けてしまいます。奥歯が伸び続けると口が徐々に閉じられなくなり、口が開いていくと今度は前歯が咬み合わなってきて、その分前歯も伸びすぎていくのです。前歯が伸びすぎると、左右の歯が広がってきたり、口の中に丸まって突き刺さることが良くあります。 過長歯になり、歯の根本にまで障害が出ると、もうその障害を直すことは出来ません。それ以上の悪化を食い止める治療をするしかないのです。そうなってしまう前に気づいてあげられるように、日頃からうさぎの歯の状態には気を配ってあげてくださいね。
過長歯のウサギの見分け方
何と言っても動物病院で定期的に健康診断をするのが一番良いです。
ですが、動物病院にしょっちゅう連れて行くとなると大変ですよね?
そこで、日頃から気をつけて観察して欲しい5つのことをあげておきますね。
(1) 好き嫌いの変化
(2) 口の周りのヨダレやしつこい毛づくろい
(3) 涙目や目の充血
(4) アゴの腫れ
(5) 食欲不振
これらの様子が見られたら、急いで動物病院を受診しましょう。
「まだ大丈夫」なんて言っていると、あなたの大切なうさぎさんはどんどん辛くなっていってしまいますよ。
※アゴの腫れに気づくには、普段からのスキンシップがとても重要になります。
予防策
うさぎ自身が食事によってうまく歯を摩耗させられるように、歯を動かす食事を与えるようにするのが良いでしょう。
ワラ(チモシー・アルファルファ)は歯を摩耗させるのに最適な食材です。
そのまま与えれば、前歯も奥歯もよく使って食べなくてはならないので過長歯予防にもなりますし、胃腸に良い刺激となるので、お腹の調子も整います。
※うさぎによって好き嫌いがあるので、食べてくれない子も中にはいるかもしれません。
咬み石や咬み木もありますが、これは前歯の摩耗には効果があるものの、奥歯にはあまり効果がありません…
動物病院に頻繁に連れて行くのは、飼い主さんも大変ですがうさぎにとってのストレスにもなります。
やはりキチンと予防してあげることがお互いにとって一番幸せなのではないかと思います。
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