ペットロスケア🐾セラピスト橘りんかの豆知識【45】
- りんか 橘
- 2020年5月20日
- 読了時間: 4分
犬の飼い主の皆さんへ
「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準『第4 犬の飼養及び保管に関する基準』」には犬の飼い方のルールが明記されています。
犬の飼い方には6つのルールがあります。
1:放し飼いや散歩で放すことの禁止
柵に囲まれた自己の敷地内や屋内で飼う場合以外は、放し飼いをしてはいけません。
屋内で飼う場合でも、玄関から飛び出してしまったり、来客の際にお客様に飛びついてしまったりしないように、内扉を閉める・内扉がないなら柵をつける等の対策が必要です。
2:繫いで飼う場合は場所と綱の長さに気を配る
繫いで飼う場合には、人に危害を与えるおそれのないように十分注意しましょう。
3:周辺地域の住民や環境への配慮
鳴き声や毛の飛散、排泄物の放置などで地域に迷惑をかけないように、きちんと対策をしましょう。
4:散歩の時の安全確保
散歩は必ずリードをつけ、犬を「制御できる人」が行い、時間帯や場所に配慮しなくてはなりません。
長すぎるリードでの散歩は、犬にも人にも危険です。
5:飼い犬の性質や特性を知る
飼い犬の性質や特性をよく理解し、事故を起こさないように注意しなくてはなりません。
6:適正なしつけ
社会に受け入れられるようなしつけをし、特に制止(マテ)ができるようにしなくてはなりません。
また、呼び戻し(オイデ)ができると、いざというときに役立ちます。

犬による咬傷(こうしょう)事故が毎年発生しています!
徐々に減ってはきているものの、全国の咬傷事故は毎年4,000件を超えています。
咬傷事故を起こす犬(咬んで人にケガを負わせる犬)は、99%近くが飼い犬だということをご存じでしょうか?
この「人」という中には、飼い主も含まれています。
先日わたしは、動物に関係するセミナーに参加した際に、問題行動のある動物のしつけ(教育)をされている女性と知り合いました。
その方に伺ったお話しでは、犬が咬む原因を作ってしまっているのは、飼い主の間違った対応のせい、というのがほとんどだということでした。
聞いたことはありませんか?
「舐められるといけないから、殴ってしつければいい」
という、暴力で犬を服従させればいいという考え方を。
殴って(痛みによる恐怖を感じさせて)覚えさせるという行為は、飼い主の方は犬が言うことを聞くようになって満足かもしれませんが、犬の方は大きなストレスを抱えることになるのです…
間違えないでください、これは「しつけ」ではなく虐待です。
そしてもう一つ間違えないでください、犬は人間よりも強いのです。
この飼い主は「犬が本気で咬んだら人間の骨は砕かれてしまう」ということを認識できていないのではないでしょうか?
柴犬という犬種は、身体は小さくてもスタミナは大型犬並みで、しかも折れない心を持っているのだそうです。
咬み癖のついた柴犬の教育は、ほかの犬種に比べてとても難しいとおっしゃっていました。
今、柴犬のブームなのだそうですが、これから柴犬を飼おうとお考えの方や、既に柴犬を飼っているという方は、咬み癖をつけないように気をつけてください。
もしも咬み癖がついてしまったら…いいえ、一度でも咬まれてしまったら「今日は機嫌が悪くてたまたま咬まれただけだよね」などと思わず、すぐにトレーナーに相談してください。
一度ついた咬み癖を直すには、倍の時間が必要だということですから、咬み癖がつく前に対処しなければなりません。
例えば、触られるのを嫌がって犬が咬みついたとします。
当然ビックリして、痛くて、手を引っ込めますよね?
そうすると、犬の方は「咬みつけば嫌なことをされずに済むぞ」ということを学習します。
これを何度かくり返してしまうと、今度はほんのちょっとの刺激で咬みつくようになってしまうのです。
こうやって「嫌なことをされそうになったら咬みつく」ということが習慣化してしまい1年経ったとすると、その咬み癖を直すにはおよそ2年かかってしまいます。
犬にとっての2年は人間でいうと8~14年です…癖を直すために8年以上もの長い間頑張ることを考えてみてください。
大変なのだということがおわかりいただけると思います。
可愛い愛犬にそんな思いをさせないために、飼い主であるあなたが、しっかりとした知識を持ってくださいね。
Comments