ペットロスケア🐾セラピスト橘りんかの豆知識【27】
- りんか 橘
- 2020年5月20日
- 読了時間: 3分
いつまでも悲しむと成仏できない?
最愛のペットを失って、悲しくて淋しくて…
飼い主さんならきっとそんな状態に陥りますよね?
でも、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
「ペットを失って泣くと、あの子が心配して居着いてしまうから悲しまない方がいい」
「泣いて悲しみを見せると、ペットがあなたのことを気にかけてしまい、心おきなくあの世に行けなくなってしまうから泣かない方がいい」
これらは、ペットを亡くして落ち込んでいる人にかける言葉の常とう句です。
こういうことを言われてしまうと、飼い主さんは「愛する子が天国に行けなくなってしまったら可哀想だから…」と、悲しみをグッとこらえようとします。
しかしこれは、悲嘆(悲しみ嘆くこと)の正しい対処法の点から見ると、大きな問題を抱えています。
※対処法は専門用語ではコーピングと言います。

人が愛する大切な対象を亡くして、深く悲しむことは自然なことであり、その悲嘆を意識的にも無意識的にも抑え込むことは、立ち直っていくために必要な悲嘆のプロセスを歩めなくさせていくことにつながりやすいからです。
悲しみの感情は、その性質として意識されたうえで表明されない限り、心の中にとどまり続けようとします。
悲しみが襲ってきたら、そらしたり抑圧したりしないで、涙と共に表に吐き出していく必要があります。
嘔吐する時はひどく苦しい思いをするのと同様に、悲嘆を表に出してあらわにしている時はつらく苦しいのですが、その悲しみを出さずにいつまでも隠したり、絶えずグッと我慢する方が心と身体には悪く、それを無理に続けていると本当の病気(複雑性悲嘆※)になってしまうことがあります。
※複雑性悲嘆とは?
「通常ではない悲嘆」のこと。
以前は「病的悲嘆」と呼ばれることが多かったのですが、2000年代以降は、「病的」という表現がやや侮蔑的であることや、「通常」と「病的」の境界が明確ではないことを理由に、「病的悲嘆」に代わって「複雑性悲嘆」という用語が使われることが一般的となっています。
近親者の突然の死や事件等の暴力的な死の際に起こる悲嘆反応が通常6か月以上続き、社会生活や日常生活に影響を及ぼしている状態を言います。
(Wikipediaより)
悲しみから立ち直るには、悲しみの中にどっぷりとつかって悲哀の感情を十分に表現して解放することが大切で、そうすることが立ち直りのもっとも近道になるのです。
無責任な発言は、深く傷ついている飼い主さんをさらなる混乱と絶望に追い込んで、悲嘆を長期化させていくことになるので、家族や友人、知人などが悲しんでいる時にかける言葉には注意が必要です。
あなたが悲しんだからといって、あなたの愛するペットが成仏できないなどということはないのですよ。
むしろ、思いっきり悲しんで泣き叫んで「今まで一緒にいてくれてありがとう、絶対に忘れない」と伝えてあげましょう。
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